Chapter02 演算と変数

概要と目標 数値を計算する演算や、
データを保管する変数を使ってみる。

PHPでの足し算や引き算などの演算や、変数の使い方などを理解し、
九九を表示するプログラムを作成できるようになろう。

今回のゴール

RERUN

プログラミングの基礎 プログラム言語はたくさんある。
どのプログラム言語も基本は同じ。

プログラム言語と呼ばれるものは数多く存在しするが、
理解すべきポイントは同じ。

  • 演算 ・・・ 数値の計算
  • 変数 ・・・ データを一時的に保存する箱
  • 分岐 ・・・ 処理の流れを変える
  • 反復 ・・・ 同じ処理を繰り返す
  • 関数 ・・・ 予め決められた処理を行う

この5つのポイントを理解すれば、他の言語の習得も容易になる。

演算とは 数値の計算。

算術演算子を用いて数値を計算することを四則演算と呼ぶ。

主な算術演算子
算術演算子 説明
+ 加算
- 減算
* 掛け算
/ 割り算
% 余り

演算を使ってみよう!

  1. 「chapter02」 › 「operate」フォルダ内の「index.php」をテキストエディタで開く
  2. 下記のPHPを追記
chapter02/operate/index.php
<p>10 + 10 = <?php echo 10 + 10; ?></p>
<p>10 - 5 = <?php echo 10 - 5; ?></p>
<p>10 × 5 = <?php echo 10 * 5; ?></p>
<p>10 ÷ 2 = <?php echo 10 / 2; ?></p>
<p>10 ÷ 2 のあまりは <?php echo 10 % 2; ?></p>
  1. 上書き保存
  2. ブラウザで「chapter02」› 「operate」フォルダ内の「index.php」にアクセス
    http://localhost/php-lessons/chapter02/operate/
ブラウザでの表示例

RERUN

変数とは データを一時的に保存する箱。

プログラムを完成させる過程で何度も使うデータは、変数に保存しておく。
変数は、 $ の後に変数名を付け、= という代入演算子を用いてデータはを代入する。

変数
  1. 変数はボウルのような器 変数はボウルのような器。
  2. ボウルにミンチを入れたい ボウルにミンチを入れたい。
  3. ボウルにミンチを代入 代入演算子を使って代入する。
  4. echoで中身を見れる 出力命令に変数名を指定すれば中身が見れる。
  5. 変数は同じファイル内なら何度でも表示できる。 変数は同じファイル内なら何度でも表示できる。
  6. 変数は同じファイル内なら何度でも表示できる。 変数は同じファイル内なら何度でも表示できる。
  7. 値を変更すると 値を変更すると
  8. もちろん、表示も変わる。 もちろん、表示も変わる。

変数の宣言
$変数名 = 代入するデータ;

変数を使ってみよう!

  1. 「chapter02」 › 「variable」フォルダ内の「index.php」をテキストエディタで開く
  2. ファイルの冒頭で、$page_nameという変数に 「変数の練習」 という文字列を代入する
chapter02/variable/index.php
<?php
  // 変数の代入
  $page_name = '変数の練習';
?>
  1. title要素と、body要素内に、$page_name中身を出力する
chapter02/variable/index.php
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="utf-8">
  <title><?php echo $page_name; ?></title>
</head>
<body>
  <h1><?php echo $page_name; ?></h1>
  <p>このページは、<?php echo $page_name; ?>をするページです。</p>
</body>
</html>
  1. 上書き保存
  2. ブラウザで「chapter02」 › 「variable」フォルダ内の「index.php」にアクセス
    http://localhost/php-lessons/chapter02/variable/
ブラウザでの表示例

RERUN

変数を使った演算 変数は計算だって出来る。

変数に数値を代入して、四則演算を行うこともできる。

変数を使って演算をしてみよう!

  1. 「chapter02」 › 「variable」フォルダ内の「index.php」をテキストエディタで開く
  2. ファイル冒頭の<?php?>内で、数値や演算結果を変数に代入
chapter02/varable/index.php
<?php
  // 変数の代入
  $page_name = '変数の練習';

  $x = 10;
  $y = 5;
  $result = $x + $y;
?>
  1. body要素内に、各変数の中身を出力する
chapter02/varable/index.php
  <h1><?php echo $page_name; ?></h1>
  <p>このページは、<?php echo $page_name; ?>をするページです。</p>

  <p><?php echo $x; ?> + <?php echo $y; ?> = <?php echo $result; ?></p>
  1. 上書き保存
  2. ブラウザで「chapter02」 › 「variable」フォルダ内の「index.php」にアクセス
    http://localhost/php-lessons/chapter02/variable/
ブラウザでの表示例

RERUN

代入演算子 演算結果を代入する代入演算子。

代入演算子には単に値を代入するだけではなく、演算した結果を代入したり
文字列を連結したりする代入演算子もある。

主な代入演算子
代入演算子 説明
= 左辺に右辺の値を代入する
+= 左辺に右辺を加算した値を代入する
-= 左辺に右辺を減算した値を代入する
*= 左辺に右辺を乗算した値を代入する
/= 左辺に右辺を除算した値を代入する
%= 左辺に右辺を除算した余りを代入する
.= 左辺に右辺を連結した値を代入する
++ 1を足した値を代入する(インクリメント)
-- 1を引いた値を代入する(デクリメント)
代入演算子のサンプル
$num = 5; // 5 ($num に 5 を代入)
$num += 2; // 7 ($num に 2 を足した数を代入)
$num -= 4; // 3 ($num に 4 を引いた数を代入)
$num++; // 4 ($num に 1 を足した数を代入)
$num--; // 3 ($num に 1 を引いた数を代入)

代入演算子を使ってみよう!

  1. 「chapter02」 › 「assignment」フォルダ内の「index.php」をテキストエディタで開く
  2. ファイルの冒頭で、$html変数に文字列を連結してリストのHTMLを作成
chapter02/assignment/index.php
<?php
  // 変数に値を代入
  $html = '<ul>';

  // 変数に右辺の文字列を連結して代入
  $html .= '<li>リスト1</li>';
  $html .= '<li>リスト2</li>';
  $html .= '<li>リスト3</li>';
  $html .= '</ul>';
?>
  1. h1要素の下に、$html変数の中身を出力する
chapter02/assignment/index.php
<?php echo $html; ?>
  1. 上書き保存
  2. ブラウザで「chapter02」 › 「assignment」フォルダ内の「index.php」をにアクセス
    http://localhost/php-lessons/chapter02/assignment/
ブラウザでの表示例

RERUN

変数名のルール 変数名には使えない名前がある。

変数名は以下のルールに基づいて命名する必要がある。

  • 先頭には「$」マークを付ける
  • 使える文字は英数字と日本語
  • 使える記号は「_(アンダーバー)」のみ
  • 先頭に数字は不可
  • 大文字と小文字は区別される
$msg = 'Hello'; // OK
$_msg = 'Hello'; // OK
$Msg = 'Hello'; // OK
msg = 'Hello'; // NG
$msg-1 = 'Hello'; // NG
$1msg = 'Hello'; // NG

データ型 PHPで扱えるデータの型

PHPで扱えるデータ型には、主に以下のものがある

  • string … 文字列
  • integer … 整数値
  • float … 浮動小数点
  • boolean … 真偽値 (true / false)
  • array … 配列
$str = 'Hello'; // string
$int = 10; // integer
$float = 3.14; // float
$bool = true; // boolean

文字列は必ず「' (シングルクォート)」または、「" (ダブルクォート)」で囲む!

文字列型の注意点 文字列を扱う時は、
引用符を忘れずに。

文字列型(String)として扱いたいデータは必ず、
'(シングルクォート)」か、「"(ダブルクォート)」で囲む必要がある。
なお、引用符の種類によっての違いは以下の通りである。

  • シングルクォート ・・・ 入力した文字をそのまま表示
  • ダブルクォート ・・・ 変数やエスケープシーケンスを認識
シングルクォートとダブルクォートの違いの例
$name = 'Shibata';

// シングルクォートは変数を展開しない
echo 'こんにちは、{$name}'; // 出力結果: こんにちは、{$name}

// ダブルクォートは変数を展開する ( 変数は{〜}に囲んで明確にする )
echo "こんにちは、{$name}"; // 出力結果: こんにちは、Shibata

文字列の結合演算子 1度の出力命令で、
複数の値を出力。

文字列と変数などを1つのprintechoで同時に出力するには、
.(結合演算子)を使う。

文字列の結合演算子を使ってみよう!

  1. 「chapter02」 › 「string」フォルダ内の「index.php」をテキストエディタで開く
  2. ファイルの冒頭で、$name変数に名前を代入する
chapter02/string/index.php
<?php
  // 変数の代入
  $name = 'Shibata';
?>
  1. title要素に、文字列の結合演算子を使って、$name変数の中身と、「さんのマイページ」という文字列を出力する
chapter02/string/index.php
<title><?php echo $name . 'さんのマイページ'; ?></title>
  1. body要素内にも、文字列の結合演算子を使って、$name変数の中身と、文字列を一緒に出力する
chapter02/string/index.php
<h1><?php echo $name . 'さんのマイページ'; ?></h1>
<p><?php echo 'こんにちは' . $name . 'さん'; ?></p>
  1. 上書き保存
  2. ブラウザで「chapter02」 › 「string」フォルダ内の「index.php」にアクセス
    http://localhost/php-lessons/chapter02/string/
ブラウザでの表示例

RERUN

練習問題 今回の理解度をチェック。

「chapter02」 › 「training」フォルダ内の「index.php」を開き、
下記の問題を解いて下さい。

ブラウザでの完成例

RERUN

    • 変数名: 「dan」
    • 初期値: 「2(数値)
    • 要素: 見出し2
    • 要素: 順不同型リスト
解答例
chapter02/training/index.php
<?php
  // 変数の代入
  $dan = 2;
?>
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <title>九九</title>
</head>
<body>
  <h1>九九</h1>
  <h2><?php echo $dan; ?>の段</h2>
  <ol>
    <li><?php echo $dan . '× 1 =' . $dan * 1; ?></li>
    <li><?php echo $dan . '× 2 =' . $dan * 2; ?></li>
    <li><?php echo $dan . '× 3 =' . $dan * 3; ?></li>
    <li><?php echo $dan . '× 4 =' . $dan * 4; ?></li>
    <li><?php echo $dan . '× 5 =' . $dan * 5; ?></li>
    <li><?php echo $dan . '× 6 =' . $dan * 6; ?></li>
    <li><?php echo $dan . '× 7 =' . $dan * 7; ?></li>
    <li><?php echo $dan . '× 8 =' . $dan * 8; ?></li>
    <li><?php echo $dan . '× 9 =' . $dan * 9; ?></li>
  </ol>
</body>
</html>

解答例は全問題のチェックボックスが on になるとご覧いただけます。

まとめ 演算は数値の計算。
変数はデータを保管する箱。

PHPは変数を宣言せずに使え、データ型もあまり意識しなくてよい言語です。

  • 数値の計算を行うには算術演算子を使う
  • 変数は、$ から始める
  • 文字列と変数を一緒に出力する時は、「.(結合演算子)」を使う